幻談とは的確な表現
著者名が湯川豊となっていますが、正しくは湯川豊ほか...です。湯川さん狙いの読者は裏切られます。(特に湯川豊著「イワナの夏」に収録済みの「信濃川上」一編しか入っていないので)。とは言っても、渓流釣りマニアには買って後悔しないことは保証できます。他の執筆人も釣りの世界の著名人ばかり(沢田賢一郎、柴野邦彦)ですので、軽く元は取れます。多分サワダの著作を指南書以外では全く読むチャンスはないと思います。彼が千曲川水系の探査を1970年代からどの様に実施したのか、当時フライロッドやフライテクニックは日本ではどの様に認識されていたのか、当時を記憶しているルアー・フライ第一世代に取っては大変懐かしくて、ソウダヨナー!と共感できる箇所が盛りだくさんです。 柴野さんの志賀高原のイワナ釣りも、三面護岸のコンクリートのドブ川に追いこまれたイワナの復讐ストーリーで100%共感できる短編です。 幻談とはよくも名づけたもので、怪談でもホラ話でもない、少々不気味な山奥の渓流釣りの不気味さをドンピシャリと表現しています。渓流釣りで極まれに体験する「なんでこんな魚がこんな場所に?」とか、「この魚はこんな場所で、どこからやって来て何を食べてこんなに大きくなったんだ?」という不思議な体験が綴られています。巻末に本当にノンフィクションですよと念押ししてあります。 この本は渓流釣り師の必携本です。
謎多き岩魚にまつわる逸話たち
深山渓谷に原始から棲む岩魚にまつわる逸話を集めたノンフィクション。渓流釣師が岩魚を追い、幽谷へと立入った際に体験した奇妙な話の数々に直ぐに虜になってしまった。今でこそ養殖魚の普及で身近になった岩魚だが、これらの逸話はかつて、源流域へと入らなければ出会うことができなかった魚だからこそ語られてゆくものであろう。特に惹かれたのが実体験を淡々と綴った「横谷源流」だ。大抵この手の話にはオチ、後日談などがあるものだが、逆にそれらが無いだけに余計にリアリティを感じさせてくれる一話だった。また、全編にわたって渓流のみならず、渓を取り巻く集落での描写にも感嘆すべきものがある。謎多き岩魚に惹かれ、渓へと赴きたくなる衝動に駆られる一方で、源流域に立ち入るのが怖くなってくる様にさえ感じさせる一冊。
謎多き岩魚にまつわる逸話たち
深山渓谷に原始から棲む岩魚にまつわる逸話を集めたノンフィクション。渓流釣師が岩魚を追い、幽谷へと立入った際に体験した奇妙な話の数々に直ぐに虜になってしまった。今でこそ養殖魚の普及で身近になった岩魚だが、これらの逸話はかつて、源流域へと入らなければ出会うことができなかった魚だからこそ語られてゆくものであろう。特に惹かれたのが実体験を淡々と綴った「横谷源流」だ。大抵この手の話にはオチ、後日談などがあるものだが、逆にそれらが無いだけに余計にリアリティを感じさせてくれる一話だった。また、全編にわたって渓流のみならず、渓を取り巻く集落での描写にも感嘆すべきものがある。謎多き岩魚に惹かれ、渓へと赴きたくなる衝動に駆られる一方で、源流域に立ち入るのが怖くなってくる様にさえ感じさせる一冊。
朔風社
イワナの夏 (ちくま文庫) 夜明けの森、夕暮れの谷 山を上るイワナ 山の夜を見よ (渓流ライブラリー) イーハトーブ釣り倶楽部 (BE‐PAL Books)
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